旅人という職業


上にも書いたけど、私は旅人が大好きです。
どこに何をしに行く、ってのが決まってないのがツボなんだよ。
目的があったら、余所見なんてできないじゃん。
どこに行くにも、余所見をしながら、寄り道しながら、っていうのが大好きなんだよね。
実際、自分もけっこう歩きながら余所見をすることが多い。
なんか新しい発見ないかなー、とかさ、
面白い光景ないかなー、とかさ。
前しか見ないで歩くような人間になりたくないんだよ。
まあ時と場合にも寄るけどさ。
その点、旅人っていいよね。
行く当てがないから、時間にも場所にも縛られない。
出発する時間も、行きたいところも、全部自分で決める。
まあ、その分なんでも自分でしなきゃいけないんだけどさ。
世界から見放された場所で気ままに生きるのって、いいなぁ。
出会う人はいろんな考えを持っていて、自分が全く考えもしなかったことを話してくれて。
その分だけ旅人はいろんなことを体験して。
そして、同じ分だけいろんなことを忘れていって。
旅ってそんなもんだよなぁ。って思う。
もちろん、出会いがあれば別れもあって。
分かれるたびに悲しい思いをするのは分かっているのに、それでも新しい人に出会うってことはやめられないんだよ。
「出会う」ってことが楽しいからさぁ。
分かれる時にもう出会うことはないと分かっていても、やっぱり人と関わることはやめられない。
切ないなぁ。でも好きだなぁ。そういうの。
でもやっぱり最後には、旅人は一人になるわけで。
どんなに人と出会おうとも、いろんなことを教わろうとも、一人で旅を続けていれば最後は絶対一人になるわけで。
そんなのって、耐えられないなぁ。
なんか、自由だけど寂しい。
死ぬ時に一人なのって、絶対寂しいと思う。
旅人はさ、死ぬ寸前にこんなことを思うんだよ。
「私が今まで出会った人は、私と出会ったことを覚えているだろうか」って。
一人で旅をしてきた旅人にとって、重要なのはそこだと思うんだ。
誰も自分のことを覚えていないなら、旅人が旅をしてきた意味って何だ?ってことになるし。
もちろんそれは自分のため、ってことにもなるけど、でも旅人は、今まで出会った人のことをちゃんと覚えている。
まあ忘れてる人ももちろんいると思うけど、それでも覚えていることはたくさんある。
それと同じように、皆も自分のことを覚えてくれているだろうか、って思うと思う。
自分は今まで、いろんな人にいろんなことを教えてもらってきた。
だから自分も、誰か一人にでも、何かを伝えていられればいいな、と。
でもそんなことを願っていても、結局旅人がそんなことを考えているなんて、誰も知らないわけで。
それどころか、自分が死のうとしてることすら、誰も知らないわけで。
どんなに願っても、旅人の疑問が解決することはないんだよ。
死んでしまった後ならなおさら。
たとえ旅人のことを覚えている人がいても、それを旅人に伝える方法はないわけで。
旅人って、死ぬ寸前の途方もない寂しさが、人生最大の辛さじゃないかな。


…なんてことを徒然と考えてみる。
まあこれは、最初から最後まで旅に生きた人の人生観だけどね。
長い…読んでくれた人はまさしく神。
私の普段の脳内です。
別に書き留める必要はないけど、なんとなくセンチメンタルだったから。
読んでくれた人、本当にありがとう。
ホントはまだ書き足りないけど、また今度続き書きます。