蜘蛛


私は学校に通うとき、駅まで自転車で行っている。
毎朝自転車のカギをはずしてえんやこーらと空気の抜けたタイヤを引きずって微妙な坂道を上る。
そんな話はメインではないんだけれど。
問題なのは、その毎朝自転車のカギをはずすところ。
もう結論を言ってしまうけど、毎朝自転車に蜘蛛の巣が張ってある。
何だそんなことかよ、と思わないで欲しい。
私は実は蜘蛛が大嫌いなのだよ。
まあ蜘蛛が嫌いな人なんていくらでもいると思うけど。
私もその一人(自分で言うのもなんだけど、最近は小さな蜘蛛なら素手でつかめるようになってきた)
でもこれも別に関係ある話ではない。
その毎朝張ってある自転車の蜘蛛の巣。
昨日、その蜘蛛の巣に、全長2cmほどの立派な主が巣のど真ん中に堂々と御在宅(御在巣?)になっていた。
主は、隣の自転車との間にたった今できたばかりと言わんばかりの大きな大きな巣を広げて、獲物が引っかかるのをワクテカしながら待っていた。
そんなことは露知らず自転車を出しに来た私はさあ大変。
しばらくその場で固まった。マジで。
思案を巡らせること数分。
その辺に季節はずれに咲いていたたんぽぽの種の茎(一本だけ生えてた)を引っこ抜いてご丁寧に巣を取り外した。
ちなみにその時主は、振動を察知して、隣の自転車に急いで移動していった。
隣の自転車の持ち主さん、ごめんなさい。
でも今日見たら、また巣ができていたよ。自転車のフレームのところに。
主がいないのがなによりの救いだった…
蜘蛛の話って、盛り上がるね(いらん)