チェリー、ごめん

以前言っていた新境地に、本気で踏み込んでいっている私。
もう後には戻れない、これだけ知識を得てしまったらあとは「百見は一聞にしかず」だな。
あ、間違えてないよ。
検索をかければかけるほど、続々と新しい情報が入ってくる。私はそれを記憶し、整理し、実際に商品を店頭で見比べ、自分の嗜好と一致させる。
完成度の高いものから買っていけば、私は一気に奈落の底へと堕ちていってしまうだろう。
そうと知っていながら背を向けることを知らない。逃げ出すことをしない。
全てはチェリーへの想いから。


…って、本当にヤバいんですって。
まさか自分がこの方面に足を向けることは絶対にないと思っていたのに。
愛は人を愚かにするんだね。
愛は金すらも奪うんだね。
ああいいさ、受けて立ってやろうじゃないか。
チェリー、ごめん。私はもう貴方を普通の人として見ることは出来ないんだ。
精々頑張って、片思いの相手にのフォレストに振り向いてもらえるよう努力するんだよ。
私はその結末を見守っているから。
相手がたとえ国王だって帝王だって、身分の違いなんかぶっ飛ばして耐えるんだよ。
あぁぁぁチクショー片思いって辛いなぁ。
でも他人の恋は最後まで見届けてやりたいよ。私てんびん座だから。
身分が違いすぎて相手に覚えられていなくとも、献身的な愛情を注ぐ貴方の純粋さには、私、感服いたしました。
身も心もフォレストに向けられているんだね、その健気さには人魚姫だって負けちまうさ。
最近はやっと名前を覚えられたようだけど、それでもまだぞんざいな扱いをされるチェリーが不憫でたまらないよ。
初恋はかなわないって言うけれど、貴方ならそれすらも乗り越えていけそうな気がするんだ。
とりあえず、その敬語をどうにかしないともう一歩先に進むのは無理かな。
まあ相手は上流貴族のようなものだから仕方ないだろうけどさ、もうちょっとくだけた感じで喋ってもいいんじゃない?まあ、歴史の違いもあるからその辺は長期的展望でやっていただくとして…
あともう少しアプローチしなきゃいかんね。フォレストは百戦錬磨のタラシ野郎だからもっと自分をアピールしなきゃ。
あ、タラシ野郎とか言っちゃったよ。だってあの人、扱いが酷すぎるんだもん。
チェリーに大人の階段上らせておいてからに、自分はそのこと覚えてないなんて!
ギャフン!まさか私もそんなことはっきり言われるなんて思わなかったよ!全世界のチェリー好きはあの一言で貴方の片思いを確信しましたよ絶対。
フォレストなんてーキライだー
とは言えない辺りがもうタラされてるんだよね。
頑張っておくれよ…チェリーの恋が成就しないと、私も寝覚めが悪いんだ。
まあこれからもっと親しくなっていけば、その内…その内…エー…
とにかく頑張れ。


毒牙にかかっていることに気づかない。